独立開業する君へ／ラジオ番組【あなたのおかげ】

僕は14年前に独立開業をした。

中小企業診断士の方のもと、事業計画書作りの勉強をして今までの仕事を通して学んだこと、独立開業をするために何をしてきたのか、独立への想い、

今までの実績や開業するためにお世話になった人の事、会社の事、マインド的な事を書いたり、開業後のキャッシュフローや1年後の財務状況、その後の財務状況予想を説明を踏まえ書いていく。

開業に必要な備品や工事費をすべて明記して書いていく。

およそ30ページくらいになる事業計画書を作成し、公庫に融資をお願いにしにいったのが14年前。

なんの実績も信用もない31歳の男にお金を貸してくれと言って貸してくれたことに感謝したことと、不安と希望が僕の感情に舞い込んできたことを昨日のように覚えてる。

前置きが長くなってしまいましたが、今回は仕事について真面目に話そうと思います。

それというのも今年いっぱいで、お店を退職して独立開業をするスタッフが支店にいるからです。

先日お店での忘年会をしたときに、開業することについて、責任者になることについて、人を雇えば、その人の生活を保障しなきゃいけないことについて、熱く語りました。

そのスタッフの良いところでもあり、悪いところも伝えたりしました。

オーナーの立場になって、そのままではいけないよ、もっとこうなれるようにならなきゃいけないよ、と少しは先輩なので経験のもとに伝えたりしました。

そもそも仕事とは何ぞや？開業してその仕事で食べていくということで、全部自分の裁量や判断で生きていかなくてはいけません。

僕にとって仕事とは、

自分のしたことによって誰かが喜んでくれて、気分が明るくなったり、スッキリしたり、笑顔になったり、とにかく必要とされることじゃないかと思う。

その喜んでくれたことに僕も嬉しく感じたり、感謝したり、そしてその対価にお金を頂いてるわけで。

例えば、掃除の仕事だとして、自分の掃除をしたところを歩く人がいつも気持ちよく歩けるように心を込める。

そこを毎日歩いてる人は汚れてるなぁと思ったことがない、むしろ意識しないくらい変わらずきれいになってるから。

敏感な人はいつもきれいにしてくれてるなぁ、ありがたいなって思ってるかもしれない。

掃除してくれてるからきれいになってるわけで、自然にきれいになってるわけじゃないからね。

どの仕事もそういうところがあるんじゃないかと思う。自分のしたことで次の人の仕事がスムーズになる、わかりやすく進めることができる、経費の計算が楽にできたり、会議がやりやすくなったり、

まあ例外的な仕事もあるかもしれないけど。

特に僕らの仕事、接客業、サービス業はお客様という対象がいるからもっとわかりやすい。

自分のしたことで目の前の人に喜んでもらえたかすぐわかるから。

そして、僕らは自分が選んだ手段がたまたま髪を切ることだった。

何年も何年も勉強して覚えた髪に関しての知識やカット、カラー、パーマの技術も誰かに喜んでもらうための手段を勉強し続けてるんだってこと。

もしかしたら、食事を作ることで誰かに喜んでもらってたかもしれないし、

花を装飾して誰かに喜んでもらってたかもしれない。

色々ある中で、自分で選んだ手段が髪を変化させることでお客様に喜んでいただき、その代わりにお金を頂いてるということ。

何が言いたいかというと、仕事の流れの中でシステムやら仕組み、決められたルールなどがあるけど、基本は自分が何年もかけて手に入れてきた手段を使ってお客様にを喜んでもらってそのことに自分も幸せになり嬉しく思い、その対価としてお金を頂いてるんだということ。

僕たち技術職って技術にこだわりを持ちすぎてそういうところを忘れがちになる。

あくまで手段であってこだわり過ぎて自己満足になってしまうときがあるから。

髪の事をたくさん知れて、満足してくれる人もいれば、自分との共通の話題をたくさんお話できて気分よくなってくれる人もいるかもしれない。

日々の生活の悩みや不満をたくさん聞いてくれてスッキリしてくれる人もいるかもしれない。

もちろん、技術はうまいに越したことはないけど。

接客業、サービス業ってたくさんの人の日常に触れることのできる貴重な仕事なわけで、

体験してないけど、体験したかのような情報や知識も頂けちゃう楽しい仕事。

お店に来てくれたお客さまには、ここに来たら笑顔で喜んでもらいたいと心から思えるようになったら仕事は楽しくなるし、本気でそのことに取り組むから辛いこともあるわけだし。

やりかたや方法にこだわりを持ち過ぎずに喜んでもらうには自分が何をしたらいいだろう？ってシンプルに考えてほしいなって思って、そんな話をしました。

でもお店を自分で開業してからだよね、お客さまが来てくれて、ありがたいって心から思えたのは。

何度も来てくれて心から感謝の気持ちになるのは。

だから、開業したらイメージ通りにはいかないし、毎日が勉強でもある。

自己開示して自分から自身のことを知ってもらわなきゃ、相手も心をひらいてくれないし、もっと謙虚にもっと素直にもっと寛容に、自分を見つめなおして頑張ってほしい。

足るを知り、日々の事柄に感謝して自己反省をする日々。

それが開業して自分でやっていくっていうことだと思う。

誰のせいでもない、すべて自分の責任。

同じ立場になったときにまたこんな話ができたらいいなと思う。

これは叱咤激励だと思って覚悟を決めて頑張ってほしい。

番組や田仲へのご意見、ご感想、トークテーマのリクエストなどありましたら、ぜひお便りください。お待ちしております！

あなたの日常での、おかげさまでの感謝のエピソードも随時募集してます！